今回の記事をご覧いただいている方は、障がい者グループホームの開業を検討している方だと思われます。この記事では知識ゼロで他業種から参入した僕が、9ヶ月という超短期間で40居室を開設したノウハウを記述して行きます。
障がい者グループホームのビジネスモデルとは?
障がい者グループホームの正式名称は共同生活援助です。この事業は、(都道府県)より指定を受けて行う委託事業です。売上は国民健康保険団体連合会(通称:国保連)と補助金として管轄する市区町村より加算が支払われるモデルとなっています。つまり売上は国が保証するビジネスモデルという事になります。手続きは煩雑になりますが、売上回収のリスクがゼロに等しいという安心感があります。
開業するなら東京23区一択
ビジネスの基本ですが、競合の少ないブルーオーシャンを見つけ出す事が重要になります。共同生活援助を含めた障害福祉サービスでは該当エリアで報酬単価が異なります。東京23区では11.6円という最高額の報酬単価が付きます。一方東京都ではエリアによって10円という地区もあります。東京都の最低賃金は1,041円ですから収益を考えると東京23区である事が好ましいと言えます。また、東京23区で開業する事は該当物件を取得する事が非常に難しい為に参入障壁が非常に高くなっています。
僕は、東京23区で新築のマンション及びアパートタイプに限定した障がい者グループホームを開設しました。これによって入居者獲得に関しては一切悩む事なく40居室の物件が満室申込となっています。
なぜ東京23区は参入障壁が高いの?
東京23区でまとまった空室のあるマンションやアパートは殆ど存在しません。障がい者グループホームは一般の住宅を利用した空き家ビジネスでもあります。その為、空き家が少ないエリアでは開業の難易度が上がります。つまり東京23区では不動産に精通している人間が有利にビジネスを展開する事が可能になります。僕は、自分自身が不動産投資を行っていた経験が長く物件情報を日々リサーチする習慣がありました。恐らくプロ並みの情報取得能力があると思います。この点が事業の拡大に有利に作用したと思います。
一軒家を利用する方法は?
以前は、一軒家タイプを利用したビジネスモデルというイメージがありました。しかし、利用者目線で考えてみてください。大人が一つ屋根の下に共同生活するってストレスを感じませんか?共同のお風呂に共同のお手洗い。食事やテレビを観るのも常にリビングで共同。通常の感覚で考えれば答えはでると思います。
実際問題、僕の経営する障がい者グループホームには一軒家タイプからの転居によって引っ越してくる方々が大勢いらっしゃいます。また障がい特性によっても精神障害の方であれば共同生活が苦手。人がいるとストレスが溜まるという意見が多く寄せられます。その為、個室タイプの障がい者グループホームを求める声が増えています。
今後、一軒家タイプとマンション&アパートタイプが競合した際には一軒家タイプでの運営が劣勢に立たされる可能性があるのではないかと考察しています。
フランチャイズに加盟した方が良いのか?
まず、そのフランチャイズ本部のサービス提供役務に何が含まれているのかを確認する事もお勧めします。僕がアドバイスをするとすれば、以下の項目がサポートされていないと無意味だと考えています。
- 物件の紹介
- サービス管理責任者の紹介
- 協力医療機関とバックアップ施設の紹介
障がい者グループホームを開業する際にハードルとなる項目は上記の3つです。指定を受けるにはとても煩雑な書類作成が必要になりますが、書類に関しても問題なくクリア出来るので心配は要りません。
物件の紹介
まずは要件を満たした物件を取得する難関が待ち受けています。こちらの問題をクリアしなければ土台に乗りません。ご自身で見つけ出すのは非常に難しい項目です。確かに地方に焦点を当てれば空き家は無数にあります。しかし、参入障壁が低い上に需要も都心と比べて少ないので空室リスクの問題が発生します。安定的に事業展開する上で東京23区内で最低でも8居室からスタートできるスペックの物件確保が最低条件だと考えています。
確認済証や検査済証は揃っているか?
消防法に該当する物件として6項ハ(5)の変更工事許可は出るのか?
居室面積は、内法で7.43平米あるのか?
これらをクリアした物件を紹介してくれるフランチャイズなら非常に価値は高いと思います。
サービス管理責任者の紹介
障がい者グループホームを開業するにはサービス管理責任者の資格を保有する人材の配置が必要になります。しかし、このサービス管理責任者の数が不足している為に人材獲得単価は非常に高くなっています。人材紹介会社に依頼すると年収の40%は覚悟する必要があります。一人獲得するのに150万円ほど計算しなければいけません。この人材を安く紹介するサービスが付帯しているなら非常に価値が高いフランチャイズサービスだと思います。
協力医療機関とバックアップ施設の紹介
指定申請の際に提携を求められる項目がこの2点です。こちらに関してもご自身で探して提携契約するには少しハードルが高いため紹介してくれるサービスが付帯しているなら価値が高いと言えます。
という形で今回は、初歩的な項目について記載してみました。今後も共同生活援助事業について実践を通じたリアルな情報を提供していきます。是非お役立てください。
最後に…
非常に社会貢献性が高い事業である事は間違いありません。利益目的だけで参入するのはおすすめしません。この事業が提供する社会的価値をしっかりと理解した上で参入する事をお勧めします。